- 吉田 健
先延ばしを防ぐためには?

今日は台風一過でとてもいい天気に恵まれました。
ただ地域によっては河川が氾濫して浸水があったり、停電があったり大変かと思いますが少しでも早い復旧をお祈り申し上げます。
例えばあなたが自動車販売会社を経営していたとして、皆さんの顧客にいくら点検の案内をしても、一時しのぎで忙しいからと先延ばししてなかなか来てくれない・・・といったことはありませんか? もしそのようなお悩みがある方には以下の話がヒントになるかもしれません。
予想通りに不合理(ダン・アリエリー著)という行動経済学の本からの話です。
昔、アメリカの自動車会社フォード社は、定期点検整備のために車の所有者を販売店に呼び戻すために苦労していたそうです。以下の理由からどの点検が必要か分厚い手引書を見て決めるしかなかったそうです
・点検部品が18,000点もある。
・点検の必要な時期が同じではない
・車種が20種超え、年ごとにも型がある
そんな折、ホンダの販売店ではフォードと同じようなやり方で整備するのが理想にも関わらず、全てを3種類の間隔の定期点検(例えば半年ごと 7500km以上など)にまとめてこの一覧をショールームに掲載していました。
つまり整備点検項目をパックにして順番に並べられ、値段がつけてあるので、その一覧を見ればいつ点検が必要でいくらかかるかが一目でわかります。
この一覧は顧客が点検に出すことを先延ばしすることを防ぎ、特定の時期や走行距離の時に点検を受けるよう顧客に指示する役割も果たしています。
そこでフォードでもこの手法を取り入れ点検対応をパックにしたところ、わずか3年のうちにフォードは修理工場事業でもホンダに匹敵する成功を収めたそうです。
医療の世界に置き換えると、顧客に嫌がられる変則的な指導をするよりは、検査や処理をパックにして忘れ去られないようにするほうが賢明だそうです。
先送りを防ぐためには、以下の2つをうまく取り入れていくのがいいそうです。
上記の例は「事前の決意表明」というしくみを活用している例です。
「自制のしくみ」を取り入れる 例 給与から自動積立して貯金する
「事前の決意表明」をする機会を与える 例 いつまでにこの仕事を終えますと表明
社会保険労務士の知識や企業の人事総務部門での実務経験を活かして「組織やチームの働きやすい環境づくり」のために、人事労務に関する問題を解決することを私のMissionとして掲げて日々活動しています。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。何かお役に立てれば幸いです。